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Little fragments

マンガやイベントを中心に、雑文乱文書き散らかし。

胃腸風邪で思わぬ漫画タイムを得たのでレビューする

 最近忙しくて~というのは俺の口癖なのだけれど、年末年始もろくろく休めず、先日の三連休で「なんか体がうまく動かんな……」と思っていた矢先に激しい胃痛にやられた。

 俺の中では胃痛というのはストレス性のものという認識だったので、「あれ?こんなにストレスあった?」と思っていたのだけど、体温計挟んだら、見事に”37.8℃”と表示され、すべての謎は解けた。

 胃腸風邪だこれ!

 そこで胃のダメージが気になるので医者へ。西洋医学のおかげでかなりよくなった。

 さてさて、そんなわけで仕事も作業もするわけにいかない。そこで何も考えない思わぬ漫画タイムとなった。あらかじめ買い込んでおいた漫画を読み、その中で面白かったものや以前から気になっていた漫画を追加して10冊ほど読んだ。中でも面白かったものをいくつか。

 

・はんなりギロリの頼子さん

 

はんなりギロリの頼子さん 1 (ゼノンコミックス)

はんなりギロリの頼子さん 1 (ゼノンコミックス)

 

  もうちょっとディープな「京都」を紹介してほしいとも思いつつ、一般的にはこれでも「ディープ・京都」なのかもしれない。主に東山や中京の話が多いかな。観光地でない少し人の体温が伝わってくる京都の話が出てくるけれど、もっとディープでもええんやで。安井金毘羅さんとかでてこないかなぁ。そんなことを2巻に期待しつつ、まず最初に紹介。

 

鶯谷ワールドエンド

 

鶯谷ワールドエンド 1 (BUNCH COMICS)

鶯谷ワールドエンド 1 (BUNCH COMICS)

 

  鶯谷って文字列にやられたよね。ちなみに作者は「うどんの国の金色蹴鞠」と同じ人で、巻末にはコラボ漫画も入っている。鶯谷のもつ独特の生々しさや隙間感が表現されていけば面白いだろうし、それが期待できそうな1冊だった。

 

君は淫らな僕の女王

君は淫らな僕の女王 (ヤングジャンプコミックス)

君は淫らな僕の女王 (ヤングジャンプコミックス)

 

 横槍メンゴさんの「クズの本懐」を読んでいたので、思わず手に取った1冊。あれだよ、有名な「パンツでもしゃぶるか」はこの漫画だったのね。それが拝めただけでも満足だし、この漫画エロすぎるでしょ……。現実がこんなエロかったらすごいのになぁ。ちなみにこの後、横槍さんは「レトルトパウチ」でエロなんだか一般向けなんだかわからん漫画を連載していて今回一緒に買ったのだけど、こっちはうーん、いまいち。 

 

・かぐや様は告らせたい

  はやくも2017年で一番好きな漫画に入るかもしれないこれ。めっちゃ面白い。ラブコメ好きの俺にとってはドストライクなので、3巻一気に読んだ。高校生らしい初々しさと無駄に高度な展開が笑う。
 そしてクール女子のポンコツ面が沢山あるぞ!!しかも無駄に持てるものをつかいつつもポンコツでなおさらいいぞ!!!
 これで、しばらくは心の栄養が確保できそうだ。ラブコメ万歳!!!

 

 さて、明日からまたバリバリ働きますか。

暇な年始はこれを読んで。私選漫画7作!

 今年はよく漫画を買った。そこで、今年の締めに、今まで買った漫画や同人誌の蓄積として個人的に「これはいいわぁ」と思ったものをピックアップしてみることにする。7作のうち、普通の漫画が4作で女の子同士の恋愛、いわゆる「百合」が3作となった。

 年始って結構暇だしね、そんなときにkindle使って読むといいですよ。kindleだとかさばらないからね。

 ちなみに俺は紙の漫画派です。

 

【一般部門】 

1.ゆるキャン▲

ゆるキャン△ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

ゆるキャン△ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 

 これまで2巻刊行済みのキャンプ漫画。今年一番推せる漫画で、はやく3巻出てきてほしい。
 田舎住まいの女子高生がゆる~くキャンプ(というかアウトドア)するという漫画で、ところどころギャグテイストなツッコミどころのある描写もあるのだけど、キャンプ用品とか、キャンプスタイルとか多様かつそれぞれ楽しそうに描かれていてとてもいい。また、登場人物の距離感も適度で、みていてほっこりする作品だと思う。年始にのんびり読むにはいいんじゃないかな。 

 

2.コトノバドライブ

コトノバドライブ(1) (アフタヌーンKC)

コトノバドライブ(1) (アフタヌーンKC)

 

 「ヨコハマ買い出し紀行」の芦名野先生が描いている新作。「ヨコハマ」のような独特の世界観は健在で、日常の向こうにちょっと不思議な世界が広がっているけれども、のんびりした感じ。でも読むとなんだかやさしい気持ちになったり穏やかな気持ちになったりしてくる漫画だと思う。年末のイベント疲れでちょっと心が疲れている人におすすめ。 

 

3.ラストピア

ラストピア (1) (まんがタイムKRコミックス)

ラストピア (1) (まんがタイムKRコミックス)

 

 今年はもう出物はないだろうと思っていた矢先に来た期待の作品。ネタバレするとつまらないので、詳しくは読んでほしいのだけど、芳文社4コマの系譜を汲みながらも日常系とは少し違う、伏線というかミステリーというか、そんなものが沢山ちりばめられている作品となっている。舞台が結構素敵で、ちょっと「ホテル・ブタペスト」のようなものを感じた。

 

4.1518!

 「GUNSLINGER GIRL」 の相田先生の新作で、同人誌が元にある。なんと1巻では母校の一部が使われていてびっくりした。「GUNSLINGER GIRL」とは大きく舞台も世界観も違うのだけど、相田先生が大事にしている「人間らしさ」が伝わってくるようなそんな作品だと思う。

 

【百合部門】

1.2DK、Gペン、目覚まし時計。

2DK、Gペン、目覚まし時計。: 1 (百合姫コミックス)

2DK、Gペン、目覚まし時計。: 1 (百合姫コミックス)

 

 俺は同性百合に弱いんだ!別に恋愛というわけではなく、お互いをお互いでカバーし、支え合っている感じがたまらない。またサブキャラもいい味だしていて好き。百合作品としたけれど、そこまで恋愛要素は強くないので結構万人におすすめできる。百合部門では今年イチオシの作品。

 

2.やがて君になる

やがて君になる (1) (電撃コミックスNEXT)
 

 先日無事に3巻が出て、少しストーリーに変化球がほしくなってきた。けれども、主人公をはじめとするキャラクターの設定が抜群なので、そこに注目して読んでほしい作品。ちなみに1巻だったか2巻だったかの特典「やがて君になれ」はゲストが豪華すぎて豪華すぎるおまけになっていて、お宝だと思う。うん。 

 

3.あの娘にキスと白百合を

  5巻で仙石線沿線が舞台という衝撃の事実がわかったので、一時下がっていた作品評価が再び急上昇してきた。いくつもの百合カップルを出しているのだけど、最近ちょっと多すぎるかなぁというのが感想で、でも3巻くらいまではすごく滾る百合カップルが多いので読んで。あと5巻の白峰さんめっちゃかわいいから読んで。

 

 そんなわけで一挙7作品を紹介してみた。いい出会いのきっかけになればうれしいと思う。
 さて、来年もいい作品との出会いがあることを期待して、さっきDLした百合同人誌で百合納めをしてくるので、このへんで。

 

 皆さまよいお年を!

 

 

聖なる夜にアルバイトを

 メリークリスマス!今日は楽しいクリスマス。まず、これを聞いて「お祭り」への造詣を深めよう。


大滝詠一「クリスマス音頭」

 大瀧詠一のアルバム、「NIAGARA CALENDAR」で特に傑作なのがこの「クリスマス音頭」。音頭という日本的なものとクリスマスという西洋的なもの2つを掛け合わせることで「七面鳥食って飲んで騒ごう」という「祝祭」面が強調される結果となった点をうまく「観察者」として表しているように思う。

 まぁ、クリスマスよりもクリスマス・イブがまるで本番のような感じに言われているのが最近で、「性の6時間」なんていう言葉もあるよね。


【CM 1988-92】JR東海 X'MAS EXPRESS 60秒×5

 毎年この時期何度も見るのがこのCMで、醸し出すバブリーな雰囲気は最高だと思う。特に牧瀬里穂がかわいいと毎年言っている。ちなみに牧瀬里穂版はパロディー版も面白いので検索してみてね。

 そういえば、92年だとまだ有人改札なのね……。

 

 さて、ある人は「宵宮」と表現するクリスマス・イブなのだが、不思議と仕事か家にいた記憶しかない。今年は休日なので当然家にいるパターンで、せっかくなのでから揚げを作っていたくらいだ。

 俺の場合、彼女が「クリスマス・イブの夜は実家にいる」という決まりを持っており、大学生時代はアルバイト、社会人(のようなもの)になってからは仕事か家というパターンになる。パーティーするような友達がいないんだな、これが。

 大学生の時は某中学受験専門予備校でアルバイトをしていたので、生徒に「せんせー、彼女いないんだー。」と言われていたものだった。こういうときに「ご想像にお任せします」という言葉は大変便利で、大方そんな返しをしていた。子供を喜ばせるあたり、随分サービス精神旺盛なスタッフである。

 中には鋭いヤツもいて、「センセー彼女いそうだけどな……」と言う子供もいた。その直感は大事にした方がいいぞ。と内心は思いつつ「さあ?」と返しておいた。

 そんなやり取りをした彼らも大学1年から高校1年の間になっている。彼らは素敵なクリスマスを送ることができているのだろうか。それとも流行のクリぼっちを極めているのだろうか。ちょっとだけ気になった、クリスマスの朝なのだった。

 

 洗濯ものを干したら、髪切りに行ってこよう。

レビューは認証履歴

 昨日は表現について面倒な話をしてしまったが、もう少し続けたい。

toudo-kougen.hatenablog.com

 

 新宿ロフトで行われた山下達郎のライブにいったときの話だ。曲の間にあるトークでこんな話があった。

「ロフトでは熱狂的なファンというか『信者』が来るので好評なんですよ。でも、日比谷の野音に行きますと、評価が変わって、引っ込めー!と言われ、缶が投げられたものです。」


 日比谷の野音(野外音楽堂)で缶を投げた観客は今だったらSNSで晒されてつるし上げられるだろう。でも当時はそういう「表明」が自由だったのだ。

 このエピソードは今から見ると「嫌ならみなければええやん」というコメントが出そうだ。しかし、当時の日比谷の野音は様々なジャンルのグループが演奏していた。他の演者を期待して来た人も「見させられる」システムになっていたのだ。

 いまならもっとフィルタリングやマーケティングされて「見させられる」ことはないだろう。それは結構だけれど、この野音におけるエピソードみたいな「出会い」や「批評」がないのは演者にも聴き手にも少し不幸なシステムでありやしないかと心配になる。

 

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 同質的なコミュニティで承認しあい、様々な「フィルタリング」を通したところで表現を眺める。そして感想すら承認に使う。いや、もはや承認よりも認証に近いのかもしれない。なんにしても、表現に対する感想やレビューがそんなものになってしまっているのだ。

 すると、「この世界の片隅に」や「君の名は。」に対する称賛の嵐は認証履歴の集合とみなすのが妥当かのかもしれない。あのレビューの集合体にある本当の「レビュー」はわずかではないか。そう思うのはさすがに穿ちすぎだろうか。

 

表現と配慮

 年に何回か映画を見る。特に今年は映画館へよくいった。

 ガルパンを3回も見たのち、しばらく間が空いて「KING OF PRISM by PrettyRhythm」というジャンキーなものを見て、岩井俊二の「リップヴァンウィンクルの恋人」でしみじみとし、しばらくたって「君の名は。」でモヤモヤしながら「planetarian ~ほしのひと~」を2度見に行って2回とも号泣した。

 

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出典:配信・劇場アニメ「planetarian(プラネタリアン)」公式サイトより

 さて、「君の名は。」のヒットもひと段落したところで話題となっているのが「この世界の片隅に」だ。クラウドファンディングでお金を集めていたころは結構興味があって、出資も検討したけれど結局しなかったことを上映予告で思い出している。
 じゃあせめて興行収入に貢献しようと見に行くかと思っていたのだが、なぜか行く気が起きない。

 どうもこれは絶賛されているせいなのではないかと昨日友人2名と飲んで話して気がついた。

 今年評判になった「君の名は。」にしても「シン・ゴジラ」にしても評判があまり割れず、ネットには称賛ばかりが目についた。どうもその点が引っかかって見に行く気がしないのだった。


 表現という行為は、優れているほど賛否両論巻き起こるものだ。人の心を揺さぶるというのはそれだけハードで難しいことだし、そう思うと表現者へは敬意を表さずにはいられない。
 一方で「君の名は。」にしても「シン・ゴジラ」にしても「この世界の片隅に」にしても聞こえてくるのは当たり障りのないように添えられた褒め言葉だ。素晴らしい、誰もが見る映画だ、と。
 そこには内実が伴っていない。ネタバレを避けたいという気持ちもあるのだろうが、ネタバレ以上に言葉として出てきていない気がしている。

 レビューには表現、メッセージ、内容に心をいかに揺さぶられたかが書き連ねられる。クソ映画レビューならば、いかにクソだったかを伝えるためにさまざまな表現手法を用いられる。

 しかし、今年話題となった作品は「他人に見てほしい」あるいは「他人に見ないでほしい」あるいは「クソ映画として楽しんでくれ」といったレビューをあまり見かけなかった。最近になって「君の名は。」に関しては厳しい意見も出つつあるけれども、それでも他者を想定したレビューはあまりなかった。シン・ゴジラ園子温監督が批判ツイートをしたら「こいつwwwww嫉妬してるwwwwww」みたいな悪意のあるとらえ方をされていた。

 今年の流行りの映画は肯定も否定も言語化されていない。そこに虚しさを覚えた。

 様々な意見があって解釈があって議論するからこそ表現は深化し、面白くなる。それは何も作り手だけではなく、見る側においてもそうだ。しかし、いまは議論をするための材料もない。まるで見えない爆弾を怖がって触らないようにしているかのような空気が蔓延している。俺にはそう見える。
 「配慮」の下に構成される言語空間は見た目には気持ちいものであるが、中身としては気持ちのいいものではない。「この世界の片隅に」の戦時世界よりもよっぽど恐怖に支配されているような気すらしてくる。とても怖い。

 でも、ヒット映画なんてそんなものかもしれない。
 だとすれば、ヒット映画よりも賛否両論ある映画を見たり、ひたすら号泣する映画でなぜ号泣するかを語る、もっと力強い言葉でレビューする。そういったことを意識していくことが「健康」な営みなのかもしれない。そう思った。

 ところで、友人から「ハイ&ロー」の新文芸坐一気見を倍プッシュされている。ジャンキーだが、面白そうなので、興味のある方はぜひ。