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Little fragments

マンガやイベントを中心に、雑文乱文書き散らかし。

「ズレ」を乗り越えたいという気持ち(「13月のゆうれい」感想)

 先日横浜のリブロ(おお、横浜の栄松堂がなくなってからずいぶん経ってしまったな!)をうろうろしていてふと手に取ったのが「13がつのゆうれい」だ。

 

13月のゆうれい  1 (フィールコミックスswing)

13月のゆうれい 1 (フィールコミックスswing)

 

 

 双子の姉弟のお話なのだけど、2人ともそれぞれ「自分のありかた」に悩んでいる。姉は「女らしい自分」に、弟は「男である自分」に。
 そこに二人をつなげる他者のまなざしが介在し、姉弟は悩みを深めるというストーリーだ。

 自分が思う自分、他人に見せたい自分、他人が思う自分は時として大きくずれる。それは自分の性格であったり、キャラクターであったり、見た目であったりする。
 

 自分らしく生きよう!という言葉もあるが、現実はそううまくはいかない。ついつい気にしてしまう他者のまなざしがある。そのまなざしに影響されながら生きている人は少なくない。それをこの作品では対照的な2つの対処法で描く。

 

 姉は振り払うことで、弟はしまい込むことで。

 俺はこの弟の「しまい込む」というところに惹かれていった。自分も他人には言えない様々なズレを抱え込み、しまい込みながら生きているから。そしてこの作品における姉のような振り払う力にあこがれるのだった。

 

 「自分らしくありたい」「ズレを乗り越えたい」という気持ちはとても描写することが難しいのだろうと思う。言語化しづらいことに加え、人それぞれの気持ちがあって、それぞれの「ズレ」を抱えているのだろうから。

 だからこそ、その「ズレ」をうまく描いた作品に出合いたいという気持ちが強いのだ。

 

 2巻以降も期待したいと思う。