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Little fragments

マンガやイベントを中心に、雑文乱文書き散らかし。

「変わらない君」に期待する残酷さについて

 大型連休も終わりのようなので、観念してブログを再開する……というより友人と旅行に行っていたので中々更新する機会はなかったのだった。
 
 友人は中学生からの付き合いだ。中高一貫校卒なので、高校までの彼はよく知っているのだが、そのあとはよく知らなかったりする。そして会って話をしていると「いろいろ変化したところもあるな」と思う。
 「人は変化する」とよく言う。ライフステージ毎に周囲の影響を受けたり、考え方の変化が起こることによって変わっていく。しかし、変化というのは時としてさまざまなものを捨象していく。それゆえに捨象されそうなものを守ろうと「君はそのままでいてくれ」という言説が現れる。
 とても残酷な言説だ。「俺は今のままでいたい、だから変わるな」なんていうことを他人に押し付ける。それが顕著に出ていた作品が「ゆびさきミルクティー」だった。
 
ゆびさきミルクティー 1 (ジェッツコミックス)

ゆびさきミルクティー 1 (ジェッツコミックス)

 

 

 この作品は少し自我をこじらせてしまっている人には強くお勧めしたい。
 先日紹介した「やがて君になる」も「変わらない君」への期待が内包されているが、こちらはそんなものじゃない。とにかく、変わらないことに拘泥し、変わっていったさまざまなことに対して複雑な感情と未練をずるずると引きずる。変わろうとしているものを邪魔する。ある意味読んでいてものすごくイライラする作品だ。
 しかし、この屈折は経験がない人も少ないのではないかと思っている。自己が変わっていくことを期待しながらも他者が変わらないことを期待する。そんなものではないのだろうかとおもう。
 自分が翼を伸ばそうとしているときには他者も翼を伸ばそうとしていると思うし、変わることを否定してはいけない。もし変わることを否定するのであれば、とてもわがままであるし、残酷であると思う。けれども、時に人はその残酷な願いを抱いてしまう。先日紹介した「やがて君になる」もそういう一面があった。
 
 個人的にはこういう作品は大好きだ。「自分だけがこういうことで悩んでいるわけではない」という安堵感と悩みをうまくほどいていく「ヒント」が見つけられると思うからである。